行事

  • 初参式とは

初参りとも云われ、ご家庭に生まれた赤ちゃんが、初めてお寺にお参りする儀式です。
お宮参りとは異なり、赤ちゃんの誕生を祝ったり、成長をお願いしたりするためだけの儀式ではありません。
近年、子どもを「授かる」ということばを聞くことが少なくなり、子どもを「作る」とか「できた」とか、中には「できちゃった」という言葉をよく耳にしますが、これは単に言葉が変わっただけでなく、「言葉はその心を表す」と云うように、子どもの「いのち」に対する私たちの感覚も変化してきたように思えます。さらには、尊いはずの子どもの「いのち」が親の都合により、まるで「モノ」のように扱われ、子どもが育つ環境の中で様々な事件や問題が起こっています。

仏教では、赤ちゃんの「いのち」は、「仏様から授かったいのち」としていただきます。
また赤ちゃんの誕生は、同時に親としての誕生を意味します。かけがえのないわが子を育てることをとおして、そのわが子から、人間として親として育(はぐく)まれ、成長する歩みが始まるのです。もちろん、おじいちゃん、おばあちゃんも同様です。
仏様を前にして「授かったいのち」の尊さを感じ、赤ちゃんと共に、親としての自覚を持って出発することを誓う儀式が初参式です。

「子は親の背中を見て育つ」と云いますが、それは、私たち自身、今まで手を合わせ育てて下さったご両親の思いや願いを受けて育まれてきました。
これからは、赤ちゃんのご両親がお参りされ、手を合わすその姿を見て、赤ちゃんも手を合わせ、感謝の心をもった豊かな人間として成長していくのでしょう。